告白は1度しかできないのか

「告白」。

年に一度、やってくるバレンタイン。
今年も彼にはチョコレートは渡さなかった。
渡そうとした年もあった。でも、特殊な関係の私たちは、「もの」のやり取りができない。

バレンタインといえば、女の子がチョコレートと共に「好き」を伝える日…だったはずだ。
最近は男性からプレゼントを贈る人も増えた気がするし、そもそも外国では男性が花を贈る日だったりしたはずだ。
一般的に告白がしやすい日、である。

冒頭の「告白」という言葉。
意味を調べてみると、「かくしていた心の中を、打ち明けること。」と出てくる。

かくしているものを打ち明けるということは、かくしている状態がかくさない状態に変化することが必要だ。一度かくさない状態になったものは、もういちどかくすことはできないのか。
物理的に、まあるいボールを布で覆い、それを外し、もう一度布をかけることは可能である。
ただし、観客はその布の中にあるのはボールだと知ってしまった事実は消えない。忘れでもしない限り。その状況が終わらない限り。ボールがそこから消えない限り。

わたしたちは今、夢の中にいる。
夢の中で恋をしている。いや、「愛」をしている。
いつか彼に告白したとき、わたしは彼にしかわからない暗号をつかった。
その場所で彼以外の人に伝わらないように、告白の言葉を「その場所にふさわしい言葉」に変換したのである。

今でも告白の風景は覚えている。
もうあの場所に彼と行くことはないだろう。

夢がほどけた時、私は2回目の告白をするだろうか。
その状況が終わったとき、もう一度告白をし、もう一度恋を始めるのだろうか。

状況が終わっても、ボールがあることはわかっている。
でも、ボールと恋の違いはそれ自体が変化するかだ。
恋心は知らないうちになくなることもある。布がかかったボールはそこにある。

今のところ夢が覚めたら、もう一度始められる気がしている。
「愛」を持ち合わせたまま、「恋」を取り戻し、
またキラキラするような、ドキドキするような、
あの頃のような、あの頃とは少し違う自分で、
彼と始めたいと私は思っている。

たくさんたくさん、愛した後の告白はどんな感じだろう。

2度目の告白はどんな感じなんだろう。
楽しみでもあるし、怖くもある。
やっぱり告白は怖いものなんだな。
でも、怖いを超える気持ちがそこにはある。